バンコクより北へ約240kmのところに位置するナコーンサワンは、北部チェンマイや東北部のイサーンへの重要な交通の拠点です。18世紀半ば頃には米やチーク材の交易の中心として発展し、潮州華僑が作り上げた街です。

ナコーンサワン

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タイの会社の同僚の両親や日本人の知り合いの奥様の出身地で、常々ナコーンサワンという名前を聞いていたので、一度訪れてみたいと思っていました。アユタヤで連泊してから、ナコーンサワンへ向かい、ローカル電車の旅は所要約2時間でした。

駅前に停車していた乗り合いバスのソンテウに食事ができるところが多く、リーズナブルなホテルがあるところまでと伝えると現地価格の10バーツで、市場の近くで降ろしてもらいました。ホテルを探していると、地元の人がタイ語表記(โรงแรมมิตรไมตรี 電話番号056-213-986
)で外国人はあまり宿泊しない、穴場を教えてくれました。1泊200バーツほどでシャワートイレにテレビも付いていて、洗濯機と脱水機も自由に使えます。

洗濯機を使っているとホテルのスタッフが、脱水機も使えることと服を干す乾きのいい場所を教えてくれました。休憩中にスタッフを起こしてしまったようですが、チップをと考えると風のように去って行き、どうやら彼女とデートのようです。

ナコーンサワン

タイでは大きな会社でなければ、彼女が職場に訪れても問題ないのでしょう。路線バスでは勤務中に奥様や彼女を乗せているドラバーを何度も見かけたことがありますが、クレームを挙げるお客さんもいないほど大らかなのもまたタイの良さです。

ナコーンサワンの街を歩くと、日本で例えれば町工場が多い東京の蒲田や東大阪のような雰囲気です。木工所や洋裁店など町工場には20人前後の従業員がいて、日本の高度経済成長を思わせる工員や縫い子さん達の姿が目に入ります。

また、大きな病院があり若い看護師が夕方になると屋台で食事をしていて、爽やかな光景が印象的でした。

屋台と看護師

夜市も賑やかに開催され、夕食はホテル近くのラートカオ(好きなおかずを選んで食べる)のレストランへ行きました。肉類や豆腐に加え野菜の種類が多く、栄養バランスが良い食事を楽しめ、店の雰囲気もスタッフの人たちのひとあたりも最高です。

全体的に食べ物が美味しくタイのほかの街と違って光と影が混在する雰囲気が少なく、道を尋ねると親切どころか立ち話をする人もいるほどです。中には、日本語を勉強している、または息子に日本の学校に行かせたいという女性もいて話が盛り上がります。

ほんとうの意味で成功しているタイの華僑は、日本人と通じるものがあって勤勉で誠実で信用を積み上げていくのだと、この街に来て知らされました。ナコーンサワンはそんなタイの華僑を象徴する街で、出会った人は優しい人ばかりでした。
タイの華僑と8番ラーメン

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